住み慣れた地域で誰もが安心して暮らすことができるよう、 民生委員・児童委員は、「地域の見守り役」「地域住民の身近な相談相手」「専門機関へのつなぎ役」として活動しています。
「民生委員制度」は、大正6年に岡山県で創設された済世顧問制度を起源とし、平成29年度に制度創設100周年を迎えました。
民生委員・児童委員は「民生委員法」及び「児童福祉法」に基づき、厚生労働大臣から委嘱された地域福祉を担うボランティアです。非常勤の特別職の地方公務員として位置づけられています。
任期は3年(再任可)です。3年ごとに全国で一斉改選(12月1日)が行われます。
民生委員は、児童委員を兼ねています。中には、子どもや子育てに関する支援を専門に担当する「主任児童委員」がいます。
民生委員・児童委員はすべての地域に配置されています。全国で約23万人、秋田県では約3,400名の民生委員・児童委員(うち約330名が主任児童委員)が活動しています。
民生委員・児童委員はボランティアで、給与は支給されません(無報酬)。ただし、活動に要する交通費等に充てるものとして活動費が支給されています。
民生委員・児童委員は、「社会調査」、「相談」、「情報提供」、「連絡通報」、「調整」、「生活支援」、「意見具申」といった7つの活動を行っています。
民生委員は「常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行なう」と定められています[民生委員法第1条]。
民生委員・児童委員には、守秘義務があり[民生委員法第15条]、住民の立場に立って住民との信頼関係のもとに活動しています。
民生委員の職務として、次のような活動が挙げられます[民生委員法第14条]。
児童委員の職務として、児童及び妊産婦についての上記の活動に加え、児童健全育成に関する気運の醸成に努めることが挙げられます[児童福祉法17条]。
このような悩みがあれば、一人で悩まず民生委員・児童委員にご相談ください。
・親の介護に関して悩んでいる
・一人暮らしで話し相手がいない
・介護保険の使い方が分からない
・生活費が足りない
・子どもの進学費がない
・お金が足りず食料が買えない
・子育てについて相談できる相手がいない
・子どもをたたいてしまいそうだ
・子どもが学校に行かなくなった
・冬場の除雪が大変だ
・災害が起こった時の避難が不安
・仕事の帰りが遅く子どもを預ける場所がない
・障がい者手帳を申請したい
・施設を利用したいけど相談先が分からない
・車いすや福祉用具を借りたい
・最近、〇〇さんの姿を見かけない
・〇〇さんの家から子どもの泣き声が毎日のように聞こえる
・〇〇さんの家に大量の新聞がたまっている
民生委員・児童委員の定数は、一定の世帯数ごとに配置されるよう、厚生労働大臣の定める基準を参酌し、市町村長の意見を踏まえつつ、都道府県(指定都市、中核市)において条例で定められています。
本県では、秋田県及び秋田市で条例が定められています(県の条例では市町村ごとの人数も定められています)。
市町村ごとに設置された推薦会において、委員候補者の選考が行われ、都道府県知事に推薦されます。都道府県知事は、地方社会福祉審議会で意見を聴いた後に厚生労働大臣に推薦し、厚生労働大臣が委嘱します。
本県では、少子高齢化等により、民生委員・児童委員の担い手不足が課題となっています。
民生委員・児童委員活動は、地域住民の生活を支える大変やりがいのある活動です。各地域で「民児協」と呼ばれる組織があり、委員同士で支え合いながら活動を行っています。
地域で活動してみたい方、委員活動について詳しく知りたい方は、お住まいの市役所・町村役場へご連絡ください。